睡眠中に呼吸が止まってしまう病気

みなさんの周りや車内などで、睡眠中に一旦呼吸が止まっている人を見かけたことはありませんか?
これは『睡眠時無呼吸症候群』といい、れっきとした病気なのです。
英語では“Sleep Apnea Syndrome”といい、その頭文字を取って通称『SAS(サス)』と呼ばれています。
寝ている間に起こる呼吸障害によるもので、睡眠の質を低下させることが明らかになっています。

10秒以上停止するものを“無呼吸”

 

現在日本においては、このSASの患者さんはおよそ200万人以上と推測されています。
SASは睡眠中に呼吸停止が10秒以上停止するものを“無呼吸”といい、
呼吸が小さくなった状態を10秒以上持続するものを“低呼吸”といいます。

SASには大きなイビキを伴っているのが特徴です。
見たことはありませんか、大イビキをかいている途中で急にイビキが止まっている人。正にあれです。
これは空気の通り道である気道が狭くなることによって起こります。
原因としては肥満による脂肪沈着、扁桃肥大、舌が大きい、アゴが小さい、などが上げられます。

呼吸が止まるという悪循環

呼吸が止まってしばらくすると苦しくなり、自覚はありませんが一度目覚めた状態になります。
それにより再び呼吸を開始しますが、また眠りに入ると呼吸が止まるという悪循環を繰り返しているのです。
呼吸が止まっている間はからだの中でガス交換がおこなわれませんので、酸素が欠乏した状態に陥ります。
呼吸の止まる回数が多くなるほど、また呼吸が止まる時間が長くなるほど、からだにおよぼす影響は大きいということになります。

昼間の眠気や朝起きたときの頭痛

睡眠時無呼吸症候群によくある症状としてはイビキのほかにも、
昼間の眠気や朝起きたときの頭痛や口の渇き、
夜中によくトイレに行くなどがあります。
あなたにも思い当たることはありませんか。

一度専門医にご相談

Dr.)
日本人のSAS患者の約3割が実は肥満ではなく、気道の構造が元々狭い人たちだと言われています。
具体的にはアゴの小さい方です。
イビキや無呼吸などは全く自覚症状がなく、肥満してないからといってSASでないとは限りません。
イビキがうるさい、寝ているときに呼吸が止まるなどと誰かに言われるようであれば、一度専門医にご相談してみてください。